unextで見た映画の感想

unextという動画配信サービスで見た映画の感想を中心に書いていきます。

戦火のナージャ

スターリンの顔を特大のケーキにベチャって押し付けちゃう背筋の凍るホラーシーンから始まる(主人公の見た悪夢)実は三部作の真ん中。

どうしようもないポンコツソ連軍とド畜生のドイツ軍が殺しあう独ソ戦悲惨の詰め合わせみたいな映画。ショッキングなシーンが多いので、戦争映画苦手な人は注意しましょう。

ロシア映画なんだからドイツ軍(ナチス)がど畜生なのは仕方がないとして、主人公側のソ連側もかっこよくは描かれていないというか、親玉(スターリン)は最悪、上官も馬鹿、一般兵は哀れ、という悲惨さでアメリカの戦争映画にはない凄みがあります。自国びいきな感じがしないというか、本当にコントみたいな些細なことで人がいっぱい死ぬ。

ナチス側は「全体としては極めてド畜生」なのだけど、個人は別にそこまでの悪ではないというか、仕方ない要素もあり、引いた画で観ると畜生になる構図がすごい。

ソ連は第二次世界対戦の軍人の死者が1360万人という(日本は230万人)ケタ違いの損害を出した理由がよくわかる。


ベテラン含む懲罰部隊にピッカピカのエリートちゃん達が派遣されて一緒に戦うとどうなると思いますか…?アメリカ映画なら、ベテランが良い感じに引っ張ってくれるでしょうけど、残念ながらこれはロシア映画。ベテランもエリートちゃんも等しく玉砕。240人いて残ったのは数人(うち一人は腸がはみ出している)。もう命のない兵士がつけている腕時計の音が、静寂に響く画や、両足がないのに意識のある兵隊が、呆然と瞬きをしながら周りの遺体とともにどんどん雪に埋もれていく画は圧巻。戦争という人間の業の、ある意味「美しさ」を感じる。


最後の今にも死にそうな兵隊さんが、看護婦であるヒロインに「キスもしたことない、おっぱいも見たことないから見せて」と頼み、もたもた脱いでいくところを血気迫るうっとりさで見守りながら生き絶える。彼がおっぱい見れたかどうかわからない。


NGT48のウラジオストクでのプロモーションビデオはこの映画のオマージュ的な要素があるのかな。ナージャーって名前を呼ぶところ。


unextでUコインやUポイント(有料)ではなく、見放題(月額費用内)の方で視聴できました。